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1細胞RNAシーケンス法の進化と未来:技術開発の視点から
1細胞RNAシーケンス法は、登場から約16年経過し、解析精度の向上・成熟化が進むことで、 研究現場での実用性が大きく向上した。本講演では、この技術の発展を振り返り、 特に解析の精緻化をもたらした重要な実験技術や残された課題について解説する。 また、研究現場では、short-readシーケンサーによる遺伝子レベルの解析が主流である一方、 long-readシーケンサーのデータ出力量の劇的な改善により、isoformレベルの定量解析が現実的な 選択肢となりつつある。これらの技術の進展と今後の課題について、我々の技術開発の経験を交えながら論じる。
睡眠と麻酔の分子生物学
睡眠は、ショウジョウバエや線虫などの動物でも観察される進化的に保存された現象です。 近年の研究で、中枢神経系を持たないクラゲやヒドラも、睡眠様状態を示すことが分かっています。 我々は、ヒドラとショウジョウバエの間で共通する睡眠の分子メカニズムを明らかにしてきました。 睡眠と関連する現象には、麻酔があります。吸入麻酔薬は全身麻酔に広く用いられますが、 分子メカニズム(標的)は未だ完全に明らかではありません。睡眠と麻酔の分子メカニズムの 解明に向けた最新の知見を紹介します。
新・3大生成AIで、あなたもバイオのA.R.E.使いに
3大生成AI(GPT、Claude、Gemini)は、アップデートを重ね、その進化が止まりません。これらのAIモデルは、 単純作業を効率化して研究者の労力(labor)を大幅に削減するだけでなく、創造的なアイデアや新たなアプローチを 生み出す“creative challenge”にも寄り添ってくれます。 講演では、岡山大学歯学部での生成AIワークショップをもとに、「いま何ができるか」「これから何ができそうか」 を具体的な事例を通して紹介し、バイオインフォのA.R.E.使いになる方法をわかりやすくお伝えします。
(続)AI時代のデータ解析プログラミング
昨年度に引き続き,生成AIを活用したデータ解析プログラミングの手法を紹介します。 日進月歩で性能が向上していく生成AIの事例を取り上げ,それらを効果的に使いこなすための ポイントや,実際のバイオインフォマティクスでのデータ解析における利用例などを紹介します。 ユーザとしてこれらの技術の進歩を日々実感していますので,NGS EXPO 2024から約1年でどれだけ発展したか, 驚きを共有したいと思います。
Windowsで始めるバイオインフォマティクス解析
一般的に、多くの人が馴染みのあるOSはWindowsであり、研究室ではWindows PCしか利用できない場合も少なくない。 本セッションでは、WSL2、Docker、Singularityといった技術を紹介し、バイオインフォマティクスにおける最初の ハードルである各種ソフトウェアのインストールを中心に、Windows環境でもデータ解析を行う方法を解説する。
NGS Dry解析超入門:コマンドライン操作からプログラミングまで
NGSのDry解析を始めるために必要なコマンドライン操作や解析ツールの使い方の基礎を解説します。 さらに、解析ツールを組み合わせたワークフローや、より複雑な解析を行うためのプログラミングの導入方法も紹介します。
研究支援を通して見えるアプリケーション、プラットフォームの違い
本業界では、毎年のようにシーケンサー、関連プラットフォームやキットが改良・発売され続け、 また解析できる項目も増え続けている。それぞれ一長一短があるが、1つずつ評価してから自らの 研究に最適な方法を探すというやり方では、近年の研究スピードには追いつけない。我々は研究支援を 行う立場上、積極的にベンチマーキングに取り組んでおり、本講演では特に初心者の方に向けてこれらの 結果を共有したい。
核内における空間的ゲノム解析の最前線 〜原理やその意義、研究にどう取り入れるか?
ゲノムDNAは、我々の生命活動の根底をなす設計図であり、核内におけるゲノムの立体構造は線状な遺伝情報の概念を超えて、 染色体間および染色体内の相互作用を介した遺伝子発現制御を行っている。遺伝子発現制御に関わる重要要素としてヒストン 修飾や各種転写因子の局在なども挙げられるが、ヒストン修飾や各種転写因子の解析はリソース等の制約から非モデル生物に おいては実施が困難である。一方ゲノムDNAの3次元的な配置の解析であるHi-C、FISHなど手法では非モデル生物においても 実施可能であるという利点がある。近年では新たな空間的ゲノム解析手法が次々に開発され、ゲノムDNAの3次元的な空間配置 に新たな知見が増えてきている。本発表では様々な種においても実施可能な、ゲノムDNAの空間的配置に焦点を当て、 モデル生物の視点からゲノムDNAの空間的な配置の意義や、様々な空間的ゲノム解析手法を紹介する。これらの解析手法の 基本原理および実践的応用例について具体的に議論するとともに、研究への取り入れ方、直面する課題、 さらには今後の展望について考察する。
1細胞・1塩基解像度で転写とゲノム構造変異を捉える
我々は、1細胞全長トータルRNAシーケンス法であるRamDA-seq法(Hayashi, 2018)を大幅に改良し、転写方向情報を捉え、 rRNA由来リードの混入を最小限に抑えたShin-RamDA-seq法の開発に成功した。本手法を用いることで、 薬剤誘導性DNA二本鎖切断を生じさせた慢性骨髄性白血病細胞株K562において、de novo融合転写産物やゲノム切断点、 マイクロホモロジーを1細胞かつ1塩基解像度で計測することに成功した。Shin-RamDA-seq法は、高深度な1細胞 トランスクリプトーム解析だけでなく、転写を伴うゲノム構造変異をマルチモーダルに解析できる強力なツールとなり得るだろう。
連続蛍光イメージングを用いた空間マルチオミクス解析
連続蛍光イメージングに基づく空間マルチオミクス解析は、単一細胞レベルで複数のモダリティを空間的に解析できる強力な手法である。 多能性維持に関与する Nanog 遺伝子は、細胞間で発現量が不均一であり、複数のエンハンサーによる転写制御を受けることが知られている。 本発表では、空間マルチオミクス解析技術を用いて明らかにした Nanog 遺伝子の転写活性化に伴う制御因子群の空間的配置の変化に ついて報告する。
細胞内染色を用いた細胞分離とトランスクリプトーム及びエピゲノム解析を可能にする手法の開発と応用
細胞の代表的な分離手法として、セルソーターを用いたFACS (Fluorescence-Activated Cell Sorting) が挙げられるが、
細胞内のマーカータンパクを染色するには一般的に強い架橋剤を用いることから核酸の品質に影響を与え、次世代シーケンスを
用いた解析に適さないケースが多い。また、FACSの際に転写因子を染色した場合、クロマチン免疫沈降 (ChIP) やCUT&RUN
(Cleavage Under Target & Release Using Nuclease) のような抗体を利用する手法において、FACSに用いた抗体由来
のシグナルが検出されてしまう潜在的な恐れがある。
我々は複数の固定条件を比較することで、FACSでの細胞内染色、NGS解析の両方に適した架橋試薬を選定した。
さらに、染色に用いた抗体がCUT&RUNに検出されうる可能性を排除するために抗体の分解処理の工程を加えることで従来の課題を
克服し、これらの組み合わせによって組織の任意の細胞種に対してレポーター遺伝子の導入なしでのCUT&RUN解析を実現した。
また、本手法の応用例として大脳発生におけるニューロン分化過程の細胞種を細分化することで明らかになった分化に伴う
エピゲノム状態の変遷を紹介する。
エピゲノムシーケンスデータのAIによる解読と活用
近年様々なエピゲノム状態計測のためのNGS技術が発展している。その一方で様々なエピゲノム制御が織りなす生体の制御は複雑であり、 その制御の文法を解読し、基礎生物学研究や疾患研究に利用することは容易ではない。我々は特にゲノムの大部分を占める 非コード領域での制御に焦点を当て、その制御と塩基配列の関連性をコンピュータモデルとして再構築することで、 生命工学や疾患治療に応用する新技術を開発することを目指して研究をおこなっている。 本講演では近年開発しているエピゲノムNGSデータの解読のための新規AI技術とその発生研究・細胞工学研究での活用を紹介する。
顎関節症を紐解く鍵:統合解析で明らかになること
空間トランスクリプトーム解析は、年々その技術が進化し普及が進む中で、 シングルセルデータとの統合解析が注目されています。本発表では、顎関節症モデルマウスを用い、 顎関節円板組織のシングルセルデータとXenium in situデータを統合解析した事例をご紹介します。 さらに、VisiumHDデータとの比較も交え、最新の研究成果をお伝えします。
マルチモーダルな解析を用いた細胞社会の解明 ー関節リウマチ滑膜でのとりくみー
シングルセルRNA-seq解析が身近になり、限られた臨床検体の解析から多様な細胞分画が病態に関連することが明らかになってきました。 一方で組織の中で生じる細胞動態を明らかにすることは未だチャレンジングな課題です。私たちのグループがクロノタイプ解析、 エピゲノム解析、空間的RNA解析などのマルチモーダルな解析を用いてとりくんでいる、関節リウマチ滑膜で線維芽細胞や 免疫細胞が織りなす細胞社会の解明をご紹介します。
2本鎖RNA全長解読とタンパク質立体構造予測で見出したRNAウイルスの新界
人類が単離したRNAウイルス数は数千程度であるが、NGSにより発見数はそこから3桁ほど増えた。 この事実は、RNAウイルス多様性は大体把握できたという印象を与えるが、果たして本当だろうか? NGSのインプット及びデータ解析方法の工夫により、まだまだ我々の世界が拡張され得ることを示す一例を、 紹介させていただきます。
ネコ・イヌゲノム高精度配列解読と塩基配列共有基盤としてのDDBJ・INSDC
コンパニオンアニマルのゲノム医療の情報基盤としてのイエネコならびにイヌのゲノム解読の戦略と成果について紹介する。 た、そうしたゲノム塩基配列データの共有と再利用を促進するDDBJの活動、最も巨大なデータタイプとなった NGSデータアーカイブであるSRA、またINSDCの国際的拡張計画とその可能な将来像について考察する。
RNAの構造を捉える空間トランスクリプトーム技術の開発
空間トランスクリプトームは、組織内の位置情報を保持したまま遺伝子発現を解析できる技術として近年注目を集めています。 従来の多くの手法では、各位置ごとにRNA分子の数をカウントする解析が主流でした。一方、当ラボでは次世代シークエンシ ング(NGS)を基盤とし、遺伝子全長の配列情報を解析する技術を開発しています。この手法により、RNA分子のカウントに加え、 スプライシングイベント、1塩基レベルの変異、アレルごとの発現量など、RNAの多様な情報を空間上で解析することができます。 本講演では、NGSを基盤とする空間トランスクリプトーム技術ならではの特長とその解析手法について紹介し、今後の応用可能性について議論します。
ポスター応募演題より選考
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