がんとがん微小環境研究の新展開に向けたオミクス解析
近年の大規模解析技術における目覚ましい発展と普及を受けて、がんをはじめとしたさまざまな研究分野でシングルセル・ 空間トランスクリプトーム技術といったオミクス解析技術が応用されている。我々の研究グループでは、こうした技術を駆使して、 がん細胞が周囲の細胞と形成する細胞社会において、がんの進展に伴ってその分子ステータスをどのように変化させていくのかを、 ゲノム・エピゲノム・トランスクリプトームレベルで研究している。本発表では、最新のオミクス解析技術の動向についてアップデートしつつ、 がんのオミクス研究について肺がんの解析を例に紹介したい。
遺伝子発現解析のその先へ
ー シングルセルRNA-seqデータを活かしきろう ー
近年の技術革新に伴い、シングルセルRNA-seq解析はより身近な技術になってきました。 ただ、多くの人は遺伝子発現解析としての利用で終わっているのではないでしょうか。 本講演では、シングルセルRNA-seqを用いて、転写開始点解析、延いては遺伝子発現制御解析を行う方法を中心にお話します。 今は沢山のデータに溢れていますが、そこからどうやって病気の理解に繋げていくのか、 我々の最近の研究も交えて議論できたらと思います。
空間トランスクリプトミクスデータの解析法
空間トランスクリプトミクス技術は、実験的および計算的手法の進歩に伴いますます注目されている。 この講演では、空間トランスクリプトミクスの解析の基本的および高度な解析方法について説明する。 さらに、プラットフォーム間の違いや結果の解釈における困難点について紹介する。
面倒なシングルセル解析はChatGPTにやらせよう
バイオロジストは見えないものを見ようとすることに注力すべきだ。しかし近年publication quality要求水準が過当に高まり、 見せることに過剰な労力を割く必要がある。講演者のiSCseq研究やPractical compass論文(Curr Osteo Rep 2023)を もとにした解析ワークショップの実例を通して、情報科学のバックグランドを持たないバイオロジストから見たChatGPTの使いどころを解説する。
AI時代のデータ解析プログラミング
ChatGPT等の生成AIにより自然言語でプログラミングができるようになりました. そして,それを使いこなすためにはシステムとのコミュニケーション能力が重要です. 本セミナーでは,生成AIへ的確な指示を出すために必要な前提知識や,生成された プログラムを修正するためのデバッグの技法について紹介します.
シングルセルRNA-seqデータ解析のアップデート2024
実験技術だけでなくデータ解析手法もどんどん進化し、知識のアップデートが欠かせません。 この講演では、2024年のシングルセルRNA-seqデータ解析手法についてわかりやすくお伝えします。 応用例や今後の展望も取り上げ、シングルセル解析の重要性と活用法を紹介します。 シングルセルRNA-seqデータ解析の理解が深まり、研究に役立てていただけることを目指します。お楽しみに!
先進ゲノム解析研究推進プラットフォームの支援活動紹介
「先進ゲノム解析研究推進プラットフォーム」では、ゲノム科学の発展に不可欠な最先端のゲノム解析及び情報解析の システムを整備し、支援対象課題へのサポートを行っています。本発表では、プラットフォームにおけるゲノム解析支援 と情報解析支援の概要について解説するとともに、情報解析支援の取り組みの一環として実施しているオンライン 情報解析講習会について紹介します。
臨床検体を用いたシングルセル解析・空間オミックス解析における工夫と応用
臨床検体から良質なシングルセルデータ(空間オミックスデータ)を得るのは簡単ではありません。 我々は、検体保存・細胞(核)抽出・シングルセルライブラリ作成・空間オミックスデータ取得・解析において、 色々な手法を比較検討して現時点での最善の手法を構築してきました。これらの試行錯誤のプロセスから得られた 結果とその応用例までお話しできればと思っています。
血管を標的とした細胞分離とシングルセル解析
血管は、周囲の細胞と相互作用することで組織の微小環境を構築する。本発表では、組織中で存在比率が多くはない 血管内皮細胞を分離し、周囲の細胞との相互作用を解析する上での工夫を、実践例を基に紹介する。
皮膚の細胞分散がシングルセル解析に与える影響
皮膚は外的刺激から体を守るため、丈夫であり、1細胞懸濁液を作成するのが困難な臓器の一つである。 それを反映しさまざまな方法で皮膚は処理されているが、皮膚の処理方法により分離できる細胞腫、遺伝子発現は変化する。 Methodの何がどのように影響するのかをデータとともに紹介する。
摂動後の発現ダイナミクスに基づく遺伝子制御ネットワーク推定
CRISPR/Cas9システムと1細胞RNA-seqを組み合わせた1細胞CRISPR法により、 多数の遺伝子をそれぞれノックアウトにより摂動した後のトランスクリプトームデータを1細胞レベルで得ることができる。 我々は、このようなデータに基づいて遺伝子制御ネットワークを高精度に推定する手法であるRENGEを開発した。 本講演では、RENGEの仕組みや1細胞CRISPRデータを解析する際の注意点について紹介する。
発生過程における核内ゲノム空間動態解析
近年、遺伝子発現において核内空間制御が主要な役割を果たすことが明らかになっているが、一方で核内においてそれぞれの染色体座が 空間的にどのように配置されるか、またその生物学的な意義についての知見は限られている。我々はシングルセルHi-Cデータを元に独自の 手法で三次元ゲノム再構築を行い、発生過程でのゲノムワイドな染色体動態を解析している。本発表では初期胚や脳の発生に伴う染色体 三次元構造の変化について最新の知見を紹介する。
DNAメチル化情報を利用した、癌免疫療法のバイオマーカー開発
現在私たちは、新しい癌免疫療法として抗CCR8抗体の実用化を目指しています。しかし残念ながら癌免疫療法は全ての癌患者に有効とは考えられず、 事前に有効性を判断する何らかのツール(バイオマーカー)が必要です。様々なパラメータを検証したところ、この薬効推定には癌組織内免疫環境の全体像取得が有効でした。 そこで病理診断で作製されたパラフィン包埋切片の残りから組織全体のゲノムDNAを回収し、 DNAメチル化情報から癌浸潤免疫担当細胞の構成を予測するツールの開発を試みました。本会ではこのツールを実際の臨床検体に適用し、 癌切除後の予後予測、有効性推定を試みた結果を紹介します。
神経科学におけるシングルセル解析のための細胞および細胞核調整チップス
神経科学分野において対象となる脳神経系の細胞は、その特性上、細胞刺激に応答し迅速かつ一過的に活性化される 最初期遺伝子群(immediate early genes)の発現が認められる。また、サンプル調整時における細胞への 人為的なストレス負荷によっても発現が誘導されることが知られている。それら人為的なノイズをどのようにしたら 軽減できるか、実例も交えいくつかのチップスを紹介する。
テンソル分解で挑む多次元シングルセルデータマイニング
異なる実験条件の検体から得られたシングルセルのデータは、すでに細胞×特徴量×条件の3つの軸を持つ複雑なデータ構造をしている。 さらに実験条件が複雑になると4軸以上を取り扱うことになり、その解析および生物学的な解釈は非常に難しい。 本講演ではウイルス感染細胞のシングルセルデータを解析した経験をもとに、複雑な構造を持つシングルセルデータの解析方法を紹介する。
生体イメージングとオミックス解析で解き明かす肝臓免疫システムの時空間制御
本発表者は肝臓内の特徴的な組織構造に興味を持ち、空間トランスクリプトーム、1細胞トランスクリプトーム、 生体イメージングを活用して組織内の位置と各種免疫細胞の機能をリンクさせて解析を行ってきた。本発表では、 肝臓内の各領域で免疫細胞がどのように働いており、臓器・生体の健康を維持しているのかについて最新の解析結果を紹介する。
見逃されてきた多型を全ゲノムデータから見つける技術開発と、疾患の遺伝要因の解明
ヒトゲノムの大規模シーケンスは、疾患の遺伝要因解明の中枢を担う。しかし多くの研究は、一塩基多型のみに着目しており、 これまで多くの多型が見逃されてきた。本研究では、既存の全ゲノムデータから転移因子多型を同定するソフトウェアを開発し、 日本人20万人の解析から、これまで見逃されてきた疾患の遺伝的リスクを明らかとした。ソフトウェア開発から実際のデータ 解析まで、ノウハウを織り交ぜてご紹介する。
RNA標的創薬のための統合データベース
RNA標的創薬は、多様な疾患治療に期待されています。この分野の進展を加速するため、疾患関連RNAに焦点を当てた注釈付き データベースを構築するプロジェクトを開始します。
ベイズ統計モデルに基づく微生物叢データ解析手法の開発
微生物叢には複雑な微生物間相互作用が働いており、微生物叢データからそれらを推定する手法が多く提案されている。 その一つが、一般化ロトカ・ヴォルテラ方程式(以下gLVE)という微分方程式に基づいた手法である。 このgLVEベースの手法は微生物間相互作用が時間変化しない仮定の元適用されてきたが、腸内微生物叢などの変化の 激しい環境ではこの仮定は成立しないことが示唆されている。そこで、我々は時間変化する隠れ変数をgLVEに導入した ベイズ統計モデルに基づく手法Umibatoを開発した。本講演では、Umibatoのアルゴリズム及びUmibatoによるマウス 腸内微生物叢データの二次分析結果について紹介する。また、関連したその他の事例についても紹介する予定である。
オープンデータを活用し動物由来ウイルスを監視する
動物に由来するウイルスによって多くの感染症が引き起こされてきました。そのため次の感染症に備えるには、 ヒトだけでなく動物を対象とした大規模なウイルス感染調査が必要ですが、こうした調査には多大な労力と時間を要するという 課題が残されています。そこで今回は、データベースに蓄積されてきた誰でも使えるデータを再解析することで、低コストに 大規模なウイルス感染調査を実施しようとする試みについてご紹介させていただきたいと思います。
配列情報から信頼性の高い細胞系譜を推定
マルチオミクスがバイオアダプティブ注射基剤を創出する
遅発性アルツハイマー病の状態・進行の多様性とその関連遺伝子の解析
3Dゲノム解析で解き明かす細胞分化過程の転写制御機構
DeepSpaceDB: a spatial transcriptomics atlas that allows interactive in-depth analysis of tissues and tissue microenvironments
「不可逆的」な遺伝子発現不均質性を促進・抑制するエピゲノム機構の発見
特別な装置を必要としない大規模Single Cell RNA-Seq法PIP-seqの検証
ヒトiPS細胞由来神経細胞におけるゲノムワイドなマイクロエキソンの検出
クローン病に特徴的なT細胞を誘導する転写因子RUNX2とBHLHE40の発見
父親の栄養環境が継世代エピゲノムを撹乱するメカニズムの探求
個体差を利用した時系列RNA-Seqによるイネの葯発生過程ステージング
ナノポアシーケンサを用いた植物mRNAの選択的転写と分解・翻訳の統合解析
ランチョンセミナー 1 9月4日 12:35~13:15
ランチョンセミナー2 9月5日 12:15~12:55
協賛企業セッション 1 9月4日 10:10~10:40
協賛企業セッション 2 9月4日 11:45~12:25
協賛企業セッション 3 9月4日 14:00~14:30
協賛企業セッション 4 9月4日 16:50~17:30
協賛企業セッション 5 9月5日 9:40~10:10
協賛企業セッション 6 9月5日 11:35~12:05
協賛企業セッション 7 9月5日 13:40~14:10