事後抄録
この講演は、単一細胞RNA-seq(scRNA-seq)解析における最新技術と、生成AI(特にGPT-4o, Claude 3.5 Sonnet)の応用に焦点を当てています。主な内容は以下の通りです:
1. iSCseq (intra living single cell sequencing) *1
- 生きた細胞の共焦点イメージングと自動精密サンプリングを組み合わせた技術
- 生細胞サブセルラーシーケンスを可能にした
2. Practical Compass of scRNA-seq *2
- 分析における一般的な落とし穴(レプリケート不足、バッチ効果の不十分な補正など)を指摘
- Stepwise instructionを提供
3. 生成AIの使い所 *3
- 単純作業の肩代わり
- 膨大な知識を活用した専門的な相談
4. 生成AIの原理
- 大量のデータを使ってパターンを学び、それを基に新しいデータを作り出す
- ありそうな答えを出す仕掛け
5. DxMT 生成AIハッカソン
- データ創出・活用型マテリアル研究開発プロジェクト (DxMT)
- DxMT AIMHack 2024 〜 生成AIによる研究ワークフローの革新 2024.7
- バイオ・高分子ビックデータ駆動による完全循環型バイオアダプティブ材料の創出拠点(DX-Poly)より参加。3日間の合宿
6. 質問の仕方 - プロンプトエンジニアリング
- 深津式プロンプトを紹介 *4
- ヒントを出して一緒に考える
- 考える余裕を取る
- 褒める
7. ChatGPTを上手に使う方法
- Customize GPT
- My GPTs *5
- 二次利用されないための設定
- Hallucination(幻覚)に注意
8. 文章生成AI利活用ガイドライン *6
- 東京都デジタルサービス局が発行した2024年版ガイドライン
- 個人情報保護、著作権尊重、AIの回答の検証、使用の透明性など4つの主要ルールを提示
9. GPT-4oと他のAIモデルの比較
- GPT-4o、Claude 3.5 Sonnet、GitHub Copilotの特徴と長所・短所を比較
10. GPT-4を用いたcell type annotation *7
- Nature Methodsに掲載された研究の概要
- GPT-4が高精度で細胞タイプを注釈できることを実証
- 従来の手動注釈に比べ、労力と専門知識の要求を大幅に削減
11. ユニバーサルカラー
- 東京都カラーユニバーサルデザインガイドライン *8
- 色盲への配慮の一環として、カラーチェッカー作成
12. DIvert to creative activities
- Boring stuffは任せて、ヒトはより創造的な活動に時間を割く
- Human-in-the-loop!ヒトが最後は責任を取ります
講演で紹介された書籍・文献情報:
*1 Okada, et al. Advancing single cell technology: iSCseq drives living subcellular transcriptomic profiling in osteoimmune diversity. bioRxiv 2022.09.05.506360; https://doi.org/10.1101/2022.09.05.506360
*2 Okada, H., Chung, Ui. & Hojo, H. Practical Compass of Single-Cell RNA-Seq Analysis. Curr Osteoporos Rep (2023). https://doi.org/10.1007/s11914-023-00840-4
*3 「生成AI時代の新プログラミング実践ガイド Pythonで学GPTとCopilotの活用ベストプラクティス」松本直樹(著), インプレス2024
*4 「深津式プロンプト読本」深津 貴之 (著), 岩元 直久 (著), 日経BP2024
*5 「GPTsでChatGPTを優秀な部下にしよう! GPTsパーフェクト作成ガイド」ITnavi (著), ソシム2024
*6 東京都デジタルサービス局. (2024). 文章生成AI利活用ガイドライン Version 2.0.
*7 Hou, W., Ji, Z. Assessing GPT-4 for cell type annotation in single-cell RNA-seq analysis. Nat Methods 21, 1462--1465 (2024). https://doi.org/10.1038/s41592-024-02235-4
*8 東京都カラーユニバーサルデザインガイドライン https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kiban/machizukuri/kanren/color.html